冬場にフォークリフトのバッテリー交換が頻発する現場の共通点とは?

はじめに|冬になると、なぜバッテリー交換が増える…?

「冬に入ってから、フォークリフトのバッテリー交換が続いている」
「春先になると、寿命を迎えるバッテリーが多い気がする」
フォークリフトの運用に関わっている方であれば、一度はこんな違和感を覚えた経験をお持ちの方も多いのではないでしょうか。

特に年末や年度末など、出荷量が増える時期になると、“急にバッテリーがもたなくなった”“まだ使えると思っていたのに交換になった”といった声をよく耳にします。
しかし、本当にそれは「冬だから仕方ない」「たまたま寿命が重なった」だけなのでしょうか。
実は、冬場にバッテリー交換が増える現場には、いくつかの共通した構造的な特徴があります。

この記事のポイント

この記事では以下のポイントを解説します。

・冬場にフォークリフトのバッテリー交換が頻発する現場の共通点
・稼働時間の増加と気温低下がバッテリーに与える影響
・現場ですぐに始められる、冬場のバッテリー運用対策

本記事では、冬場にバッテリー交換が増える理由を整理し、現場で実践できる対策と、改善の第一歩となる考え方を分かりやすく解説しています。

冬場にフォークリフトのバッテリー交換が増える構造的な背景

冬にバッテリー交換が増える現場では、次の2つの条件が同時に起きているケースが多く見られます。

年末・年度末に向けてフォークリフトの稼働時間が増える

気温低下により、バッテリーが本来の性能を発揮しにくくなる

この2つが重なることで、現場では知らないうちにバッテリーに無理な使われ方が生じていきます。

なぜ稼働時間が増えると問題なのか

繁忙期になると、1台あたりのフォークリフトの使用時間が長くなり、業務の都合上「止められない」「途中で充電できない」といった運用になりがちです。

その結果、バッテリーは残量がかなり少ない状態まで使われるようになります。この状態を「過放電」と呼びます。
過放電状態(一般的に残量20%以下)での使用が続くと、バッテリー内部の劣化が急激に進み、寿命を大きく縮めてしまいます。

なぜ冬は、より過放電になりやすいのか

鉛バッテリーは、バッテリー内部の化学反応によって電力を生み出しています。しかし気温が下がると、この化学反応が鈍くなり、同じように充電しても、取り出せる電力量が少なくなってしまいます。

つまり冬場は、「使えるはずの容量が、最初から少ない状態で運用が始まっている」と言えます。
この状態で稼働時間が増えれば、結果として過放電に陥りやすくなり、「冬になると急にバッテリーの調子が悪い」ように見えてしまうのです。

現場でまず取り組める3つの対策

冬場のバッテリー交換を減らすために、まずは日々の運用を少し見直すことが重要です。

対策① 残量メーターを「見る」から「記録する」へ

残量メーターを感覚的に判断するだけでは、過放電の兆候や車両ごとの使われ方の差が見えにくくなります。
そこで、次の2点をルール化することが効果的です。

【やること】

  • 使用終了時の残量メーターを記録する
  • 残量が25%以下になる前に充電する(※劣化状態により閾値は変動)

これを継続することで、次のような車両が把握しやすくなります。

【見えるようになること】

  • 他車両より明らかに“使いすぎている”車両
  • 冬場に急激に稼働が厳しくなる車両

記録によって運用のクセが可視化され、過放電リスクの早期発見につながります。

対策② 補充電できる時間が本当に確保できているか見直す

現場では「補充電を実施しているつもり」でも、実際の運用を振り返ると、十分に機能していないケースは少なくありません。
特に繁忙期や冬場は業務が立て込みやすく、補充電の優先度が下がってしまうことがあります。
その結果、次のような状況が起きている現場も多く見られます。

  • 忙しさから補充電を実施できていない
  • 一部の車両だけが補充電の対象になっている

このような状態では、補充電が運用ルールとして定着しているとは言えません。
そのため、「補充電をしているかどうか」ではなく、全車両が同じ条件で補充電できているかという視点で見直すことが重要です。

対策③ 全車両の稼働時間を洗い出す

特定の車両に負荷が集中していないか、車両ごとの稼働時間をざっくりでも可視化することが重要です。「よく使われる車両」が固定化している場合、そこから劣化が進みやすくなります。

冬場運用セルフチェックリスト

すべてにチェックが入る状態を目指しましょう

冬場は、バッテリーにとって厳しい条件が重なりやすい季節です。
だからこそ、「問題が起きてから対応する」のではなく、あらかじめ“良い状態”をつくっておくことが重要になります。
以下は、冬場のバッテリー運用においてすべてにチェックが入っている状態が理想です。

チェックリスト

  • 使用終了時の残量メーターを記録している
  • ☑ 残量メーターが5コマ以上残った状態で充電に入れている
  • ☑ 昼休憩・小休憩時に、補充電できる時間を確保できている
  • ☑ 特定の車両に負荷が集中しないよう、稼働を分散できている
  • ☑ 冬場の車両ごとの稼働時間を把握できている

フォークリフトバッテリーの交換は運用構造の見直しで減らせる

ここまで、現場だけでも取り組める対策をご紹介してきました。
一方で、実際の現場では、運用を見直そうとしても思うように進まないケースが多いのも事実です。
特に、次のような理由から、改善に行き詰まってしまうことがあります。

  • 日々の業務が忙しく、残量や稼働状況の記録が継続できない
  • 車両ごとの稼働時間を正確に把握する手段がない
  • どのポイントから手をつけるべきか判断できない

こうした課題に対して、当社ではフォークリフトの運用状況を整理・可視化するサービスとして、「FOSA診断(Forklift Operation Status Assessment)」を提供しています。
FOSA診断では、現場ヒアリングや運用データの整理を通じて、フォークリフト運用の全体像を把握します。そのうえで、次のような視点から運用構造を可視化し、改善検討の材料を提供します。

全車両の稼働状況の偏り

バッテリーがどのように使われているか

冬場にリスクが高くなりやすい運用ポイント

「毎年、冬になるとバッテリー交換が増える」という状態から抜け出すためには、個別の対策だけでなく、運用全体の構造を把握することが重要です。FOSA診断は、そのための第一歩として活用いただけます。

まとめ

冬は、バッテリーにとって確かに厳しい季節です。
しかし、交換が増えるかどうかは「冬だから」ではなく「使われ方次第」とも言えます。
まずはできるところから以下を始めてみてください。

  • 残量を把握する
  • 稼働時間を見直す
  • 現場の構造を整理する

そして、「現場全体を一度整理してみたい」「冬前にリスクを把握しておきたい」という場合は、FOSA診断を活用するのも一つの選択肢です。冬を「交換の季節」にしないために、今の運用を見直すところから始めてみませんか。

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