「液面センサー」の落とし穴とは?バッテリーの補水管理を現場で正しく行う方法を徹底解説

はじめに

フォークリフトのバッテリー管理において、「液面センサーがついているから安心」と思っていませんか?
確かに、液面センサーは補水のタイミングを知らせてくれる便利な装置です。
しかし、それを過信すると液枯れ*を見逃し、バッテリーの寿命を著しく縮める原因になります。
この記事では、液面センサーの仕組みと限界、そして日常点検で本当に見るべきポイントを解説します。

液枯れ*:バッテリー内部の電解液が極端に減り、電極が露出した状態であり、性能低下や焼損、寿命短縮の原因になります。

この記事のポイント

この記事では以下のポイントを解説します。

・よくある液枯れトラブルの原因とは?
・適切な補水管理がバッテリー寿命を左右する
・補水管理の3つのポイント

「気づいた時にはすでに手遅れだった…」とならないように、ぜひこの記事で正しい管理の知識を確認してみてください。

よくある液枯れトラブルの原因とは?

センサーがあっても液枯れが起こってしまう

液枯れは、「液面センサーをつけていたのに起きてしまった」という声が多いトラブルです。
これは、液面センサーが1セル(単セル)しか監視していないことが主な原因です。
そのセルだけ液面が正常でも、ほかのセルで液面が著しく下がっていることがあります。
実際、「センサーは反応していなかったのに、別のセルで液枯れしていた」という事例は少なくありません。
液面センサーはあくまでも補助的な確認手段です。
これに頼りきりの管理では、全体の液面低下を把握できません。

適切な補水管理がバッテリー寿命を左右する

液面センサーは便利な装置ですが、安全な管理はできません
「ついているから大丈夫」と油断してしまうと、ほかのセルの液枯れを見逃すリスクがあります。
液枯れは、一度でも発生するとバッテリー内部の電極が酸化・劣化し、性能の回復はほぼ不可能になります
このようなトラブルを防ぐには、液枯れを未然に防ぐ運用=予防管理が重要です。

補水管理の3つのポイント

目視による全セルの確認を習慣化

液面センサーに頼らず、すべてのセルの液面を直接目視で確認することが重要です。
全セルの液面に差が生じているケースはよくあるため、この習慣がトラブル予防に直結します。

高温期は補水頻度を上げる

夏場や気温の高い環境では、バッテリー内部の電解液が蒸発しやすくなります。
そのため、通常よりもこまめな補水管理が必要です。
・春~夏は「週1回」から「週2回」の点検に切り替える
・気温と充電回数に応じて点検頻度を見直す

管理ルールを明文化し、属人化を防ぐ

「点検したつもりだった」というあいまいな運用は液枯れの原因になります。
これを防ぐには、補水管理のルールを明文化し、属人化を避けることが効果的です。
例:点検タイミング:毎週月・木の充電後
  担当者の明確化:固定担当者またはローテーション制
  記録の仕組み:紙のチェックリストやデジタル管理表の活用

この3つの管理ポイントは、「液面センサーだけでは守れないバッテリー寿命」を守るために欠かせない基本動作です。
バッテリーは高価な消耗品であり、交換時のコストや作業停止リスクを考えれば、日々の手間を惜しまないことが最も懸命な選択です。

まとめ:液面センサーに頼らず、点検習慣をつけましょう

バッテリーの寿命を守るためには、以下の3点を日常業務として徹底することが最も効果的です。
すべてのセルを目視で定期確認する
高温期には補水頻度を増やす
補水管理をルール化し、属人化を防ぐ

液面センサーに「任せる」のではなく、点検の手間をかけて「守る」意識こそが、バッテリーを長持ちさせ、トラブルを防ぐ最善策です

ご相談ください

IchouSystemは、フォークリフト、非常用電源、バイクや自動車などのバッテリー寿命延命装置の製造・販売を手掛けています。

2001年、沖縄県の電力会社様との共同研究で蓄電池再生技術を開発。この技術は高い効果が評価され、全国の電力会社様で採用されるに至りました。

私たちの製品には特許取得済みの独自技術を採用しており、その信頼性と独自性が国内で高く評価されています。特に物流業界や製造業界ではフォークリフトへの導入が進んでおり、バッテリー寿命の延長を通じて企業のコスト削減や運用効率の向上に大きく貢献しています。また、バッテリー交換の頻度を減らすことで廃棄物削減にも寄与し、持続可能な社会の実現にもつながっています。

バッテリー寿命延長や効率的な運用にご興味がありましたら、ぜひお気軽にお問い合わせください。皆様からのご質問やご相談をお待ちしております。